とりあえずビール
2015/09/05
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飲みたくなるよね
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酒を飲むのは好きな方です。実は毎日でも飲みたいのですが、肝臓を気遣って休前日だけにしています。ビール、ワイン、ウイスキー、焼酎、日本酒あたりを飲みますって...要は何でも飲んじゃいます。
- 休前日の夜、仕事から帰宅したあとは、お楽しみの「一人飲みタイム」に突入です。大抵は喉の渇きを潤すためにスタートは「ビール」です。よく冷えた350ml缶を手に取って、プシュッ&ゴッゴッゴッゴッ&くはーっ。そう「とりあえずビール」って、とても良い言葉だと、しみじみ感じる瞬間です。うん。飲みたくなりますよね。
- さて、私にとって不動のスターティングメンバーと言えるビールですが、最近は気が付くと様々な種類のビールが出回っています。私が酒を飲み始めた頃は、ビールと言えばビールだけ、最近のような「ビールテイスト飲料」は無かったので、選ぶのは「単に好み」の問題でした。
- 今考えてみると、学生の頃はビールしか無かったため、収入が少ない身としては、酒自身をあまり飲めなかった記憶があります。社会人になって自分の自由にできるお金が増えてから、ビールをケース単位で購入して飲んでいましたね。しばらくすると「発泡酒」というジャンルが出現します。
- この発泡酒は本当に人気だったのですが「毎日飲んでいるわけでもないし、たまにならちょっと贅沢でいいや。だからビール」という考え方で、私はずっとビール派のまま来ていました。
しかし値段の差が
- ただ、酒の量販店に行くと実感することとして、店舗内で一押しの場所に置かれていたビールは今や奥に置かれ、代わってそこに居るのは「ビールに近い味の飲料」となっています。まぁ確かに価格差が大きいですよね。家族関係で出費が増える頃から乗り換えも考えましたが、私の場合は飲む回数を絞ることでビール購入を維持していました。
- しかし、本当に価格差が大きい...ちょっとまとめてみましたが、これを見れば乗り換えるのもわかるというものです。ビールと倍近い価格差です。飲む量を減らす選択をしなければ、どうしたってビール以外に流れるでしょう。
表1:最近売っているビール系商品の大まかな例(価格は参考程度で)
- 表1を見ると「新ジャンル」と呼ばれるビールが増えてきています。ぱっと見ビールと種類が変わらなく思えますが、新ジャンル系の各製品には糖質カットのバリエーションもあるため、実際は2〜3倍の商品ラインナップになっています。しかし、ビールばっかり飲んできたから、発泡酒とか、新ジャンルとかよくわからない...という訳でちょっと調べてみました。
ビールの種類について調べてみた
- まずビール以前に酒を考える上での共通事項として「アルコールの作り方」ですが、これは「グルコース(単糖/ブドウ糖)やマルトース(二糖)を酵母によって分解=発酵」することで作ります。では、材料となるグルコース/マルトースを得る方法ですが...単糖/二糖類のかたまりとは、ずばり「デンプン」です。つまりデンプンを多く含むもの...穀類/イモ類等が最初に思いつくものでしょう。
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デンプンの状態では、グルコース同士が「がっちり」結合しているため、「酵母によるアルコール分解=発酵」ができません。しかし穀類/イモ類は種子ですから、このままだと自分が発芽しても、芽に向かって養分(糖類)を供給できません。逆に言うと、種子は自身のデンプンを分解する酵素...アミラーゼを内包しています。そして、それはまさに「発芽」したときアミラーゼが発生する仕組みとなっています。
- 今回調査の対象としているビールやウイスキーは「発芽した麦=麦芽=モルト」が持つアミラーゼを使って、麦の中のデンプンをグルコース/マルトースに分解しています(糖化)。その後酵母によってアルコールに分解します(発酵)。ここで言いたいのは、ビールの材料はモルトですが、アルコールを得るためだけなら、他の穀類を混ぜることも可能だということです。
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そして、ここからビールの種類に話が変わります。ざっくりとビールの種類を「酒税法」の観点から説明すると下記のようになっています。
- ビール:原材料にモルトを「3分の2以上」使用している。
- 発泡酒:原材料の一部にモルト又は麦使用。原料に蒸留酒等含むもの除く。
- 第3のビール[その他の醸造酒(発泡性)@]:原材料の麦芽以外の穀類/糖類を使用。
- 第4のビール[リキュール(発泡性)@]:酒類と糖類が原料に含まれる。
- 「発泡酒」は使用しているモルトの比率によって税金が異なるため、現在販売している発泡酒はモルト使用率25%未満が多くなっています。「新ジャンル-第3」のビールは「モルトを使わない」というわかりやすい商品。ビールとは違う味に目覚めれば新しい世界が待っているかもしれません。そして「新ジャンル-第4のビール」は発泡酒に対する法律の抜け穴を突いた商品と言えそうです。
- 第4のビールではモルトの原材料比に規定がありません。よってビール未満であれば、現在の発泡酒よりもモルト比率を上げることができます。そして、第4のビールの条件でもありますが、風味とアルコール度数調整に大麦スピリッツ(蒸留酒)を使用すれば、原材料は全て麦というお酒もできるわけです。
- よって「ビールに近い味」の条件として「モルト原材料比」が支配的だとしたら、どう考えても「第4のビール」であり、酒税法改正前の発泡酒よりもビールに近い味になっているかもしれません。
ちょっと違う...
- そこで、第4のビールを何種類か飲んでみたのですが...う〜ん、何か微妙に軽いです。喉/鼻の奥で感じるものが大きく違う。もちろん美味しいのですが「別の酒だなぁ」という感覚が払拭できません。実を言うとビールですら、わずかな米系の味を「...」と思うような状態なので、ある意味当然なのかもしれません。私は「慣れていない味を嫌がる」残念タイプなのです...。
- 実際現在のビールの商品ラインナップを見ると、超ロングラン商品(固定ファンがいる)と、モルト100%のプレミアムビールしかありません。ビールを買う人は相対的に高くても関係なく買うってことです。私と似た飲み方をするタイプが結構多いのかなと。「週末の酒くらい好きなの飲ませろ」と思っている人が。
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多分私はこの先もずっとビールを買い続けるのだと思います。価格と懐具合のバランス調整をしながら、商品が存在し続けることを祈りつつ。
追いかけっことノンアルコール
- ここまで調べてきて、特に発泡酒の調査から、ビールテイスト飲料の変遷は、酒税法の改正と密接に関わっていることがわかってきました。最初は安い輸入ビールに対抗する新しいジャンルとして発泡酒が登場したわけですが、人気がシフトすると酒税法が改正され、ビールより低いモルト原材料比の発泡酒に対して、税率を上げることが繰り返されています。
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ここから私の想像になりますが、モルトに頼らない第3のビール、スピリッツを混ぜて発泡酒とは違うと言い張る第4のビール。同じ流れに見えますね。そのうち酒税法改正されて現在の価格は維持できなくなるのでしょう。
- 酒は確実に成人の贅沢品の一部であり、そこから上がる税収はアルコール消費量に伴うべきと考えれば、人気(アルコール消費)の度合いによる酒税法の改正は仕方ないことです。しかしながら、ある程度計算されていた売り上げ&利益に打撃を受ける酒造メーカーはたまらないこともわかります。
- 最近ノンアルコール飲料が流行っていますよね。このレポートの流れの中でノンアルコールの話をすると「究極の節税商品」として開発されたのではないか、味覚や爽快感の追求と違うのでは、という気がしてきます。そういった妄想が浮かんでしまう理由は、多分ですがビールを飲んでいた人間の多くは、ノンアルビールテイスト飲料の味を受け入れ難いのではという想像からです。私なんかは全然ダメだし。
- そもそもビールの爽快感とは刺激。その刺激は体を攻撃するもの...ですが、これによって細菌や雑菌を殺すというのが潜在的目的なはずです。食前酒を飲む理由とか、わさび/辛子/唐辛子を使う理由とか、そういったものの同類です。なので体に害が無いものであれこれして、酒と同じ爽快感(刺激)を得るのはどこまで行ってもニセモノ感が拭えないのではと思っています。
- そうは言っても我々はアルコールに弱い民族なので、ノンアルコールを喜ぶ方が多いことも理解しているのですが、それを無理矢理ビールテイストにする必要も無いと思うのです。恐らく酵母ではなく乳酸菌寄りの発酵でしょうから、その酸味を売りの方向へ持っていけば良いのにと思うのですが....。
- とにかくノンアルコールは酒っぽい味のする飲み物じゃなくて、新志向の清涼飲料水なのだという方向性が明確になって欲しいと願っています。アルコールの代用品でも何でもないと。そうじゃないとアルコールも煙草みたいな扱いにされかねない...ってこれが心配なだけだったりする。
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