ホームネットワーク構築(3)
2017/04/17
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家の中へ戻ってきました
- 前回まで家の外、回線事業者とISPへの接続について説明をしてきました。次は家の中です。適切な設定をしてネットワークを利用及び管理するには、各機器の役割理解が必要となります。
図1 : 自宅内LANの簡単な例
- 図1は自宅内でLANを組んだ簡単な例で、PCやプリンタ(*1)を有線接続したものです。初めて家庭内LANを組む場合、ピンと来ないのは以下の言葉ではないでしょうか。
- モデム : MODEM(MOdulation DEModulation)
- VDSLや光ファイバ上の信号と家庭内LAN信号を相互に変換する機器です。
- ルーター : Router
- ISPから提供されたグローバルIPアドレスを複数のネットワーク機器で共有する仕組みです。
- スイッチングハブ : Switching Hub
- 複数のネットワーク機器を家庭内LANへ物理的に接続する装置です。
- 今回はモデムとPPPoE設定を中心に説明します。
モデムとPPPoE(1)
- まずはモデムです。モデムはVDSLや光ファイバ信号上のネットワークデータを、我々が普段よく見るツイストペア(TP)ケーブル(*2)信号に変換する装置です。この装置を経由することで、家庭内にあるネットワーク機器を電話線/光ファイバ経由でISPへ接続することができます。
図2 : モデムを経由したISPとの接続
- モデム自身の機能は単純なのですが、ここはキャリアを経由してISPと接続される家庭内LANの玄関口であるため、わかっていなければならないことがあります。それはISPへ接続するためのアカウント認証の扱いです。
- モデムを経由して送られたデータは、ISPの認証サーバで正規のユーザ(アカウント)であることを確認し、そのデータをISP内へ通します。キャリアは複数のISPと接続していますが、ユーザは接続されているISPのどれか一つと契約しているので、アカウント名とパスワードといった認証情報が当然必要になるわけです。
- つまりモデムを経由してISPとやり取りするデータには、必ず認証用のデータを乗せることになります。認証用データを乗せてISPのサーバと接続する通信手順(プロトコル)を PPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet) と呼びます(*3)。
図3 : PPPoEによりアカウント情報送付とISP認証
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ISPのアカウント情報は、FLET'S光等複数のISPを選択可能なキャリアでは必須の設定であることは自明だと思います。しかし中にはキャリアとISPが1対1で結びついているため、見かけ上PPPoE設定をする必要が無いケースもあります。つまりISPやキャリアと契約してモデムを入手した際、最初に確認することは
- PPPoE設定の必要有無
- 設定が必要ならばアカウント情報がどこに記述されているか
になります。
モデムとPPPoE(2)
- ではPPPoE設定がユーザ側で必要な場合、どこで設定するかですが、それはモデムに接続されたネットワーク機器です。
- ケース(1) : 例えば最近はなかなか無いと思いますが、モデムに直接PCを接続し、かつモデム自身はPPPoE設定を行わない場合、PPPoE設定はPC内部で行います。重ねて書きますが、今やルータ無しでインターネットに接続することはほとんどありません。
- ケース(2) : モデムにルータを接続している場合は、PPPoE設定はルータ内部で行います。設定はPCを経由するのですが、誰がPPPoEのアカウント情報を持つかが異なります。
- PPPoE設定必要ないケース(3)含め、図にまとめました。
図4 : PPPoEの設定はどこで行われるか
一番最初がハマる
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これを見てわかると思いますが、ケース(3)を除き、PPPoEの設定をするために、PCをモデムもしくはルータにLAN接続することは必須になっています。これの意味することは、インターネット接続をする人は、LAN接続のスキルを持っていて当然だということです。
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確かに1990年後半では、まず家庭内でLANを組むような人がインターネット接続を行っていたため、上記のような話にもなるのですが今は違います。なので初めての人は知らなくて当然なのですが、トラブルシューティングについては突然敷居が高くなるのがネットワーク管理の困るところです。
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書いておいて何ですが、次回ルータとPCの接続を説明します。今回のレポートは、その後もう一度見てもらうのが良いかしれません。(掲載順について今後変更するかもしれません。)
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Notes
- 最近はプリンタもネットワークで繋げるものですね。昔はプリンタサーバーをどうするかも話題の一つでしたが(遠い目)...
- 電話線より少し大きなRJ45と呼ばれるコネクタが付いたケーブルです。ツイストペアは、ケーブル内の信号線が2本ずつ撚り線なっているという意味です。はるか昔は同軸ケーブルで接続していた時期もあったので、それと区別された呼び名ですが、今や意味無しです。
- まだネットワークを触り始めて初日の段階で、いきなりPPPoEとか言われて理解できるはずありません。故にほとんどの人がピンと来ない状態で設定を行い、そしてハマってしまいます。
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