Perl開発環境 on Windows
2018/09/16
Strawberry Perlを推奨
  • 以前は Windows の Perl 開発環境と言えば ActivePerl でしたが、CPANモジュールが入れにくい、ppm(Perl Packeage Manager)の更新が遅いといった点が気になるようになりました。

  • 特にCPANモジュールの扱いやすさを意識すると、私は Strawberry Perl の方が使いやすいと思っています(*1)

  • Strawberry Perlのインストールは非常に簡単です。Strawberry Perlのサイトにある Recommended version よりWindowsインストーラ込みのmsiファイルをダウンロード後、それを実行するだけです。

  • インストール終了後は、PATH環境変数の設定や、.pl/.pm拡張子への関連付けも終了しています。

CPANモジュールのインストール
  • Strawberry Perlの環境ならば CPAN(Comprehensive Perl Archive Network)モジュールのインストールも簡単です。

  • 例えば、XML::DOM モジュールをインストールするときは、コマンドプロンプトで下記を実行します。
    • > cpan XML::DOM

  • cpanはStrawberry Perlインストール時に用意されるコマンド(バッチファイル)です。上記の実行でモジュールのダウンロード/コンパイル/テスト/インストールをすべて行ってくれます。

Perl IDE Camelcade をインストール
  • Perlはコマンドラインベースのデバッガを持っています。"perl -d スクリプト名" でコマンドラインデバッガが起動します。
    • n : 実行1ライン
    • s : 実行1ステップ
    • c ライン行 : ブレークポイント設定
    • p 変数名 : スカラー変数値表示
    • x 変数名 : リスト/ハッシュ等構造を持つ変数値表示

  • しかし、もう少し良いPerl統合開発環境(IDE:Integrated Development Environment)が欲しいなと感じ、探したところ JetBrains のPerlプラグインとして Camelcade がありました。

  • Camelcadeの紹介ページから Camelcade Wiki のリンクに入り、そこの説明に沿ってインストールを進めます。

    • まず前準備として、Perl環境に Devel::Camelcadedb を入れます。cpanコマンドで入手して下さい。
      • > cpan Devel::Camelcadedb

    • 次に何かしらの JetBrains IDE をインストールします。今回は Python IDE の PyCharm を選びました
      • Professional(有償)版とCommunity(free/open-source)版があります。選んでインストールして下さい。
      • もちろんPython自身も必要です。無ければ PythonのHP から入手/インストールして下さい。

    • 最初の PyCharm 起動で User Interface(暗い/明るい) を選択(*2)し、とりあえずスタートします。
      ※下記図をクリックすると別タブ/Windowで拡大表示します。以後の本レポート内の図は全て同様です。

    • スタート画面の右下に "Configure" マークがあるので、クリックして "Plugins" を選択します。

    • 更に出てきた画面の下部にある "Browse repositories..." を選びます。
    • "Perl" を選んでインストールします。

    • Close後、PyChram をリスタートします。

Perl IDE Camelcade を使う
  • では PyCharm 経由で Perl IDE を使ってみましょう。"Create New Project" を選びます。

  • New Projct の置き場所と名前(例:test_000)を決めて "Create" を押します。
  • Projectが作成され、メイン画面に移行します。

  • メイン画面の上部メニューから "File → Settings" を選ぶと、Settings画面が開きます。
  • 左側の "Languages & Frameworks" の左側 ">" をクリックし、"Perl5" 選びます。

  • 画面右側の "Perl5 Interpreter" は最初 "Disable Perl5 support" になっています。そこで 項目右横の歯車マークを押して、Newを選択します。
  • Perlのプログラム置き場所(私の時は自動サーチされました)が示されます。設定後に OK を押します。
  • Perl Interpreter が登録されていることを確認し、OKを押します。

  • これでメイン画面に戻ります。プロジェクト名を逆クリック(*3)すると "New" から "Perl5" が選べるようになっています。
  • "Name" に スクリプト名(拡張子不要です)を入力し、Kind に "Script" を選びます(*4)
  • メイン画面が登録スクリプトの編集画面に変わるので、そこでスクリプトのコーディングを行います。

  • コーディング終了後、スクリプト名を逆クリックしてメニューを開き "Run 'スクリプト名'" を選んで実行します。
  • 下部に実行画面が追加され、結果が表示されます。

  • 次はデバッグです。コード行番号の左 を押すとブレイクポイントが設定されます。
  • メイン画面でスクリプトを逆クリック後、"Debug 'スクリプト名'" を選びます(*5)
  • "Debugger" タブが追加され、変数の参照や、ステップ実行の制御ができるようになります。

  • あとはGUIの世界なので、自由にいろいろとお試し下さい。

かなり使いやすいと思う
  • 私はかなり使いやすいと思うのですが、皆さんはいかがでしょうか。コード全体を眺めながら、実行行の制御や変数取得ができるので、標準のデバッガよりもわかりやすいと感じています。

  • カバレージ取得の機能なども使いたいところです。私もいろいろと遊んでみたいと思います。
Notes
  • また別の良い点として Strawberry Perl を導入すると、GNU C++コンパイラ(g++)や gmake も付いてきます。
  • 私は明るい画面(IntelliJ)を選びました。最近背景が暗いと見えにくいのです...orz
  • 左利きマウスなので、通常の"右クリック"を私は"中指クリック"とか"逆クリック"と呼んでいます。
  • Perl Moduleを作成する際は、恐らく "Package" を選ぶのかと。
  • ファイヤーウォール警告が出た場合、キャンセルしてもデバッグ機能は使えます。
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