SuicaとFeliCaとNFC(1)
2019/07/27
オートチャージでSuicaを使う
  • 普段はJRで通勤しているのでSuica定期券を使っています。言うまでもありませんがSuicaにはチャージ機能があり、乗越精算はあらかじめチャージされたSF(Stored Fare)/電子マネーで行います。

  • ここ数年は、このSuica電子マネーを便利に使っています。普段買い物をする場所は大体決まっていて、駅前のスーパーやコンビニ、職場の売店と自動販売機です。これら全てでSuicaが使えるようになったため、最近財布を出す機会が減りました。一週間財布を自宅に置いたまま気付かなかったこともあります。それ程Suicaだけで生活しています。

  • Suicaを電子マネーとして使い始めるきっかけはオートチャージでした。6〜7年前に仕事の関係で近距離出張が増えたのですが、足りない金額を精算機や券売機でチャージするのが面倒になり、オートチャージをSuicaにつけたのです。

  • オートチャージを使うと、運賃精算が便利になると同時に常にある程度の金額がSuicaに入っている状態になります。精算(かざしてピッ!)が手軽なので、対応している店で利用しているうちに、気付いたらSuicaだけで生活するようになっていました。オートチャージ毎に発生するポイントもSuicaにチャージ(*1)できるため、便利に使えて年間1〜2万円のお小遣いがもらえる。もう手放せません。

JRを使わなくなったらSuicaをどこでチャージする?
  • そして、ふと「JRを使わなくなったら、どこでチャージする?」という疑問が頭をよぎりました。JRの駅は通らないにしても、Suicaを使える店でチャージすることはできますが、手軽な精算に魅力を感じているのに、レジでチャージを頼むのはなんか嫌です(*2)

  • 家でチャージできないか調べてみると、PaSoRiというリーダライタとSuicaインターネットを使う方法を見つけましたが、同時に「サービス終了のお知らせ」も掲載されており、「モバイルSuicaのご利用をご検討ください」と書いてありました。

  • そう言えば、モバイルSuicaって何だろうと、よくわかっていない自分に気付きました。交通系ICカードという括りもぼんやりしていますし、ここ1〜2年でiPhoneがSuica対応したと宣伝していることの意味もよくわかりません。そこでSuicaを含む電子マネーについてちょっとまとめる(*3)ことにしました。

SuicaはFeliCaの技術を使っている
  • Suicaは交通系ICカードの代表格ですが、SONYが開発したFeliCaと呼ばれる非接触ICカードの技術を用いています。アンテナを経由してデータ送受信を行いますが、カード側は自身の電源もアンテナで発生した電流によってまかないます。


    Figure 1. Suica(FeliCa)カード

  • Suicaカードの中にはアンテナに接続されたFeliCaチップがあります。このFeliCaチップは主に二つの機能を持ちます。
    • FeliCa RF : RF(Radio Frequency)通信とデジタルデータの変換を行います。
    • FeliCa SE : データの暗号処理とストレージを担います。SEはSecurity Elementの略です。

  • つまり、Suicaデータ...本体は、FeliCa SE内に置かれているデータを指すことになります。

  • FeliCaの特徴は、Suicaを始めとした交通系ICカードで自動改札に対応することから決定付けられており、処理時間は0.2sec以下(*4)という仕様を持ちます。ラッシュ時の自動改札で人をスムーズに流すには、このレベルの処理速度が必要なのですね。

モバイルSuicaはハード内臓のFeliCaチップを使う
  • ここまでSuicaカード...FeliCaチップ搭載カードについて説明しましたが、この機能を何かの機器に持たせようとしたら、FeliCaチップを機器に搭載してしまうのが最も簡単な方法です。

  • ちょっと話が飛びますが「おサイフケータイ」という機能が日本のガラケー/スマホにはありますね。実はおサイフケータイに対応するハードとは「FeliCaチップを内蔵している」という意味になります。

  • なので所有スマホが「モバイルSuicaを利用できるかどうか」は「おサイフケータイ対応」を確認すればOKと言えます。


    Figure 2. モバイルSuica

  • Suicaカードのときは、FeliCaチップにアクセスする経路はアンテナだけでしたが、ハード内蔵FeliCaの場合、搭載機器のシステム(図中のCPU)からアクセスする経路が追加されます。

  • システムからアクセスできる...ガラケー及びスマホのシステムはネットに繋がっているので、クレジットカード情報を登録して支払い可能にすれば、SE内データに対する操作はアプリケーション次第で何でもできることを意味します。

  • クレジットカードから電子マネーをチャージをできるのは当然で、あとは定期発券など従来駅の券売機で行っていたことも、全てアプリケーションに入れ込んでしまえば良いわけです(*5)そのアプリケーションがモバイルSuicaなのです。

  • 尚、一番最初はガラケー/スマホ内に空データのFeliCaチップがあるだけですが、それをSuicaとしてバリデーションする(FeliCaチップのSE内にSuicaデータの置き場所を作る)のは、モバイルSuicaインストール時に行っていると思われます。

  • とりあえず今回はここまで。次回はNFCとFeliCaの関係について話をしたいと思います。
Notes
  • Suicaカードの場合、駅にあるVIEW ALTTEでポイントをチャージします。
  • えっ、コミュ障かぼっち体質じゃないかって...褒められても困りますね。
  • どのクレジットカードが良いかといった話は一切出ません。扱うのは仕組みです。
  • 後につながるので、処理速度の要求仕様が厳しい点を意識してください。
  • ガラケーやスマホは券売機のカードスロットに入れられませんし。
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