本棚強化...じゃなくて修理かな
2021/08/09
隙間に置く本棚を買ったけど
  • 3月の勤務地異動に伴い通勤がつらくなったので、6月に勤務地近くへ引越しました。学生の頃から学校にしても会社にしても千葉/茨城/神奈川と何故(*1)か東京を外していたのですが、今回遂に東京での勤務...と言っても23区外ですが、もともと千葉住まいの私から見れば丁度良い雰囲気の場所です。

  • 新しい部屋のレイアウト的に今まで使っていた本棚が置けないため、新しく本棚を購入することに。サイズは高さ約180cm x 幅約60cmです。特に誰かに見られる訳ではありませんが、雰囲気的に木製の家具を選び、値段もそれほど高くないもので良いかなぁ...と今考えるとこれが失敗でした。

  • どんな問題が出たかですが、本棚に本を詰めてから一週間程度で、本の重さに負けて可動棚が反ってしまったのです。本棚あるあるネタとは思うものの、一週間で反ってしまったのはちょっとまずいかなと。ダボに掛かっている端の部分にも隙間ができてしまい、このまま反りが進行すると可動棚が脱落しかねません


    Figure 1: 一週間で可動棚が反ってしまった

うん? 一枚板ではない?
  • 反ってしまった可動棚を何とかすべく、まずは本を下ろして棚を外しますが、その時「あれ? 何か軽いかな?」と感じ始めました。本棚を組み上げているときは作業に夢中で気付きませんでしたが、2cm近い厚さの板がこんなに軽いはず無いと。

  • 中心付近を手で押すと何と凹む感触があります。全体を軽く押してわかったのは、どうやら木枠に薄い板を貼った構造になっているというものでした。

    Figure 2: 可動棚の大きさと推測した構造

  • この構造...確かに幅4cm程度の木の板片 x 2本で60cm幅の本の重量を支えたら、反ってしまうのも無理ないかと思います。多分この本棚はコミックや文庫など小さな本を入れる想定だったのでしょうね。私の注意不足でした。

可動棚を強化してみる
  • やっちゃったものは仕方無いので、これからどうするか。可動棚相当の板を購入/加工することも考えましたが、ちょうど良いサイズが見つけにくいのと、側面の見た目もあるので、既存の可動棚板を強化する方針を採りました。

  • 強化方法については、すでに木材で失敗してるので、別の素材...金属系を使用することに。パイプ、スチールアングルなど見ていきましたが、加工しやすさと見た目からアルミアングルを使用することに決めました。下記がイメージ図です。

    Figure 3: 可動棚強化のイメージ図

  • 2本のフレームを両方強化したかったのでアルミアングルも前後に装着。近くにあるホームセンターのアルミアングル販売単位は90cmなので、半分にして45cm x 2本(*2)。これを可動棚1枚に対して使用します。後/背面側は2cmのアングル前/正面側は張り出しを抑えるために1cmのコの字アングル(チャンネル)を使います。

  • アルミアングルを可動棚に取り付けるため、穴を3ヶ所開けます。4mmΦです。膨張/収縮時の割れ防止で、木ネジの太さに対して少し余裕を持たせています。

  • カットや穴開けといった加工は全てアングルを購入したホームセンターで依頼します。ドリルとか下置きの木片とか全部実家だ...。手持ちの工具はドライバー類だけです。それにアングル穴開けには固定用万力も必要なので、作業時間と工具費用も考えると加工依頼一択です。

  • このように加工したアングルを可動棚に取り付けると、本棚強化後の見た目は下記のようになります。知らないで見れば、こういうデザインだと思えるかもしれない。端っこの隙間はダサいですが、長さ45cmは制約なのであきらめです。


    Figure 4: 可動棚強化後の本棚イメージ図

部材購入と取り付け
  • ホームセンターに行ってアルミアングルの部材購入と加工をします。部材は2mm厚の900x20x20アングル2本、同じく2mm厚の900x10x18x10チャンネル2本、合計約3000円でした。尚エッジにバリが無いものを選んでいます。本の出し入れ時に手を引っ掻いたりしないように。

  • 購入したアルミアングルに加工を依頼します。4本のアングルを半分にするので4カット、カット後に8本となったアングルに3ヶ所穴を開けるので、合計24の穴開け。作業費は約1000円です。穴開け数が多いので1時間程度掛かりました。それでも自分でやるよりは早いし満足です。

  • 購入/加工したアングルを持ち帰り、反ってしまった可動棚板に取り付けます。アングルの取り付けは強化目的もありますが、そもそも反ってしまった板を真っ直ぐに矯正することも含んでいます。

  • 取り付けはアングルの穴に木ネジを刺してドライバ(手回し)で固定します。それほど苦労せず木ネジが入るので、木枠部分もあまり固くないなと感じました。だから反っちゃうんだよね...。


    (左)加工前の可動棚板(裏面) ちょっとエビ反り状態です
    (中)加工したアルミアングル
    (右)アングル取り付け後の可動棚板

    Figure 5: アングルを可動棚板へ取り付け

  • このようにして4枚の可動棚にアングルを取り付けてから本棚に戻し、下ろしてあった本を再び詰めます。棚板は見た目まっすぐに戻りました。強化いや修理前は明らかに反っていた上に端の隙間も大きかったので対処できてほっとしました。下記は写真です。背面側のアングルもチラ見えしてますね。大体イメージ通りになったと思います。


    Figure 6: アングル取り付け後の可動棚(意味不明の擬音語付き)

いろいろと反省、でも楽しかった
  • 今回は自分の部屋の中の家具ということで、安くて良いかと思いましたがそれは間違いでした。木製家具は雰囲気の良さを楽しむ高級志向品であるという認識が足りませんでした。雰囲気と性能の両方を求めるならそれなりに高くなるのです。出すべき時には出さないと駄目ですね。

  • そして重量物用の家具を安く済ませたいのであれば、メタル/金属系が良いと思うようになりました。普通のメタルラックの棚に薄い化粧板を固定すれば丈夫な本棚のでき上がりです。化粧板のカットもホームセンターで頼めばきれいにやってくれますし。

  • そもそも論は終わりにして、加工にも反省点があります。それは穴開けの位置と固定方法です。端から50mmの位置に穴を開けましたが、これはギリギリまで端に寄せるべきでした。端から10mmぐらいにすれば良かった。現在ダボからネジの固定位置が90mm程度ありますが、そこまでで反ってしまうからです。実家からドリルを持ってきて追加で自力加工するかもしれません。

  • それと固定方法ですがワッシャ買い忘れてしまいました。とりあえずネジのヘッドで固定していますが、本当はワッシャで多少水平方向の動きを確保したかった。割れ防止効果半減です。下地の木枠が脆いため、ワッシャを付けるにはネジを外した後、ネジ穴補修材で固め、それから再度ワッシャを付けて固定するという手順になりそうで、これも失敗したと思っています。

  • 反省点も多いのですが、こうやって何か実際に作ったり/修理したりするのは楽しいですね。普段の仕事はデータ的に何かを設計することが多いので、たまにPhysicalの世界で何かするのは気分的なリフレッシュになります。また何かあると思うので、その時も楽しもうかと。
Notes
  • 授業の一部が東京校舎でありましたが研究室は千葉でした。そのため東京校舎で授業の日は、合間に秋葉原や神田を巡って遊んでました。懐かしい。
  • 本当はダボ位置までギリギリの長さにしたかったのですが、購入アングル数が倍になってしまうので。
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