JTAG Boundary Scan(1)
2022/02/26
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JTAG Boundary Scanとは
- JTAG Boundary Scanとは、平たく言うと "ICのIOを制御する仕組み" のことです。この仕組はプリント基板の部品実装チェック等に利用されます。
- ICのIOは、そのICが持つ機能の一部であるため、IOを制御するためにICの機能を理解する必要があります。ですが部品実装者が全てのICの機能を理解して網羅的にIO制御を行うことは不可能(*1)です。
- しかしICの機能とは別に、IOを独立して制御する仕組みがあれば、ICの機能を理解しなくても部品間接続を確認することができます。更にその仕組が規格として統一されていれば、IC種別によらずIO制御が可能になります。
- その規格...IEEE 1149.1で規定されたIO制御のインターフェースがJTAG(Joint Test Action Group)です。このJTAGから内部のBSR(Boundary Scan Register)に値を設定することでIO制御を行います。
Figure 1: JTAG Boundary Scanの構成
JTAG Boundary Scanを利用した部品間接続テスト例
- 簡単な例を見てみましょう。仮にFigure 2のような、JTAG BSR I/Fを持ったICと組み合わせ論理の部品を持ったプリント基板があるとします。
Figure 2: プリント基板
- これらの部品が想定通りに接続されているかは、プリント基板自身のInput及び、JTAG BSRへ値を設定(Launch)した後、伝搬した論理値をBSRで捕捉(Capture)又はプリント基板のOutputを観測することで確認できます。
Figure 3: BSR Launch/Captureによる部品間接続の確認(クリックで拡大)
- またプリント基板内に複数のJTAG I/Fを持つICがある場合、Figure 3のようにTDI/TDOポートをでデイジー接続することで、BSRを使ったIC間接続観測が可能になります。
Figure4 : JTAG BSRチェーンのデイジー接続によるIC間接続テスト(クリックで拡大)
ほとんどのFPGA/ASICがJTAG BSRを持つ
- ここまでの話、"何となくわかるけど、そもそもICがJTAG BSRを持ってる前提だよね?" という疑問があるかもしれません。このJTAG BSRですが、メジャーなFPGAはJTAG BSRを持っています。Configuraiton目的でJTAG IFを持ち、ついでにBSRも利用(*2)できるようになっています。
- そしてASICの場合ですが、恐らくオプションとしてJTAG及びBSR実装の依頼が可能なはずです。予算が問題ならばJTAG ControllerとBSRをユーザ自身の設計に仕込んでしまえば良い(*3)です。
- 今回はJTAG Boundary Scanの概要を見てきました。次回はBSRの構造を扱いたいと思います。
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Notes
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2022/02/26: 初版
2022/03/13: 図中Output Enableの極性変更(正→負)
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