ロッカーとスポーツギア(2)
2024/09/14
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ロッカースキーとキャンバースキー
- 今回はスキー道具の話です。スキー道具の場合ロッカーと言えば、ロッカースキーそのものです。ロッカースキーはロッカー形状を持つスキー板の呼称ですが、従来タイプのスキー板はキャンバースキーと呼ばれます。
- スキー板のロッカー(Rocker)もしくはキャンバー(Camber)形状とは、スキー板の反りを指しています。これら2種の特性については、スキー板メーカーやショップ等あちこちのサイトに説明があるので、本レポートでは触れません。
- そして今回ですが、トップロッカー/セミファットの板を選びました。BLASTRACK BLAZER LT です。
Figure 1: BLASTRACK BLAZER LT(クリックで拡大)
- 上記の写真を見るとわかりますが、ロッカー部を除いたコンタクト長に対して、実測中央より3cm後ろにセンターが設定されています。これならビンディング取り付け位置は推奨のセンターセッティングを指定すればOKでしょう。
上級コース◆はコブが減って深雪へ
- スキー人口が多かった頃は、上級コースは大抵の場合コブ斜面化していました。そのため上級コースを中心にスキー場で遊ぶ場合、コブを滑る想定のスキー道具を選ぶものでした。
- しかしここ10年で、傾向は大きく変わったと感じています。スキー人口減少とバックカントリーの影響と思いますが、多くの上級コースは新雪/深雪/湿深雪として遊ぶ場になっています。コブ斜面はモーグル志向コースに限定されつつあるかと。
- するとコブ用のスキー板では、板の浮力が足りず今ひとつ気持ち良くない滑りになります。現在私が使用するスキー板も純粋なモーグル用よりは幅広めですがコブ志向なので、深雪滑走ではある程度のスピード/荷重が必要...つまり疲れます。
- 前回も書きましたが、年齢の影響で運動強度を上げることが難しいと感じ始めているので、大半の上級コースに合わせた道具を使いたいのです。これが今回スキー道具を変える/追加することにした理由(*1)です。
深雪で浮きやすく軽く整地はゆっくりと
- 私の頭にあるスキー場での遊び方は、とにかく上級/不整地コースに行って新雪/深雪/自然コブ滑走を楽しむというものです。整地斜面ではスピード控えめで、カービング/スキッディング併用の滑りを考えています。
- そして関東から行けるスキー場では、一部を除いて深雪とは大体において湿深雪を意味しています。ザラメも含めて、こういった斜面でも滑りやすい道具を選ぼうと考えました。そしてとにかく軽いことも大事なポイントです。
- 自然コブも滑る(*2)ことを考えると、フルロッカーは選択肢から外れ、必然的にファットスキーも外れます。セミファットで一部ロッカー...トップロッカーの板を選ぶことになります。あとは軽さと柔らかさ...「ゆっくり/まったり/自由」志向...で、選んだのが今回のスキー板...BLASTRACK BLAZER LT だったわけです。スキーシーズンの到来が今から楽しみです。
今回スキーブーツも変えました
- スキーブーツも変えました。私は足幅(Last)が107mm(*3)あり、従来の95-100mm幅のブーツを履くために中央が盛り上がったインナーソールを併用していましたが、これもどうにかしたい不満でした。
- 今回の道具選びコンセプトは「ゆっくり/まったり/自由」なので、素直に幅が広い(98-105mm)ブーツを選ぶことができました。中級者向けですね。従来使っていたフリースタイル系ブーツに合わせて最初フレックス90を選びましたが、実際履いてみると「や、柔らかすぎる...」ということでフレックスを100に変更。REXXAM RC-100 です。
Figure 2: REXXAM RC-100
- 足首周りの可動範囲はフレックスだけでなくシェルの形状も大きく影響するんだなと実感した瞬間でした。従来ブーツより甲高設計のため変形しやすかったみたいです。ソールサイズは303mmで旧ブーツと同じです。前のスキー板にも使えます。素直に踏めるブーツは多分初めてなので、これについてもスキーシーズンの到来が今から楽しみです。
ビンディングの解放値を考える
- ついでにビンディングの話を。ビンディングの解放値は、ビンディングのメーカーを問わず同じです。ビンディングは膝の脛骨を保護する役割を持ち、過度な負荷が脛骨にかかった時に解放します。この保護対象である脛骨の丈夫さを、身長/体重/ブーツソールサイズと対応させ、ビンディングの解放値基準が決まります。
- ビンディングは前側と後側の2部品でできていますが、前/トゥー側がねじれ方向(モーメントMz)の解放(*4)、後/ヒール側が前傾方向(モーメントMy)の解放を決めています。ビンディング解放値はMz/Myモーメントに対応していますが、あとは技術レベルで想定されるスピード/力や、年齢による筋力の低下を考慮して調整となります。
Figure 3: ビンディングと解放モーメント(JISS7048から図の一部抜粋/クリックで拡大)
- 基準解放値のチャートについては「スキー ビンディング チャート」等で検索すれば出てきます。私の場合だと
なので、スキーヤーコード J が基準になります。ここにブーツソール:303[mm]を組み合わせると下記になります。
Table 1: スキーヤーコードI〜Lの解放値(ブーツソール:303[mm])
スキーヤーコード |
I |
J |
K |
L |
解放値 |
3.5 |
4.5 |
5.5 |
6.5 |
- スキーヤーコード J を中心に複数並べたのは、スキーヤータイプや年齢によって調整が入るからです。私の条件は下記でスキーヤータイプ3になります。この場合、スキーヤーコードは2段上がって L になります。
- 速度: 中速 = 2
- 地形: 上級コース = 3
- スタイル: 果敢な滑走 = 3
- 後は年齢による調整です。50歳以上はスキーヤーコードを1段下げます。最終的に私のスキーヤーコードは K となり、設定解放値は 5.5 に決まるわけです。今までが6.5なので、ここも少しダウンですね。
スキー道具は特に気を使う
- 今回は運動強度を下げるという意識でスポーツギアと向き合いました。今までは上達に伴い上げる方向ばかりだったので、人生初の試みとなります。
- しかし近くの街中でやるランニングと違い、スキーは管理された場所とはいえ、自宅から遠く離れた雪山の中でやるものです。当然道具選びも真剣になります。ですが、遊び方そのものを見直す良い機会ともなり、思ったより楽しく検討できたかなと思います。
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Notes
- FR-Xを10年使っていますが、エッジもソールもあまり傷んでいません。コブ中心に遊びたい時は出動させます。
- 降雪後から数日で自然コブに。
- 幅広足の日本人の中でも幅広足...。ハードタイプのシューズ選びに苦労します。トレッキングシューズとかも。
- モーメントという言葉がピンとこない場合、トルクと読み替えてください。
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